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 虫歯ができるメカニズム(カリオロジー)
 健康な歯がムシ歯になる過程
不思議だと思いませんか?私は毎日まじめにハミガキ(※1)しているのに虫歯になってしまう。ある人は虫歯になったり、また、ある人はならなかったり・・・。歯が弱い?そうではありません! →端的にお話しすると虫歯になりやすい人となりにくい人がいます。 また、その違いは人それぞれのお口の中に原因があると同時にその人の生活習慣に問題があるといえます。 ここでは、健康な歯がムシ歯になる初期メカニズムを簡単にご説明します。

※1
ハミガキ=歯磨き
ハミガキ=歯磨きという言葉は現在は使いません。 これは英語の「brushing 」の誤訳で、長い間この言葉が誤解を招いてきました。
お口の中には400種類以上といわれる「口腔常在菌」が住んでいます。その中の数種類の菌が虫歯の発生に関連しています。

お口の中では、食事を始めてから3分ほどで虫歯菌の活動が始まろうとします。

虫歯が一番エサとしているのがお砂糖です。

虫歯菌は糖を分解してネバネバした物質(不溶性グルカン)を出し、それを足場にして歯面にくっつきます。細菌が更に集まって付着したものがプラークです。そのプラーク(Plaque)の中ではバイ菌により酸が作られます。
酸性度が歯を溶かすレベル(Ph4〜5.5)になると、歯の表面からミネラル成分のカルシュウムやリンが溶け出します。この状態を脱灰(だっかい)と呼びます。
糖の摂取を止めると唾液の力(酸を中和、きれいに洗い流す作用)によりプラークやペーハー(Ph)は中性に向かい、唾液中のミネラル(カルシウム、リン)が歯の中に戻りはじめます。 この状態を再石灰化(さいせっかいか)と呼びます。

このように、お口の中では食事を始めたときから虫歯ができ始めたり、治ったりしています。
参考まで、摂取した糖の濃度は再石灰化の時間に関係なく唾液の量や力が弱いほど時間が長くかかります。
このタイミングでフッ素やキシリトール、リカルデントの力が加わると再石灰化がより促進され、ムシ歯の進行、発生を抑制することができます。 →キシリトールとは
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歯の内部にはカルシウム、リン等でできたアパタイトという成分があります。

細菌のかたまり(プラーク)により生成された酸が歯の表面に付着

歯の表面に放出された酸によりカルシウム、リンが溶け出し始めた

ここで、以下のように唾液による洗浄が始まれば虫歯になる可能性は下がりますが、そのままの状態で更にダラダラ食い等続けると虫歯のリスクが一段とあがります。


唾液が歯の表面に流れてくると酸が洗い流されます

  
酸が洗い流された後しばらくして、再びカルシウム、リンが元に戻り始め元の状態になります

このように歯の表面に付着したプラークと酸と唾液が虫歯の形成に深くかかわっているのです。

 虫歯の環境と再石灰化のサイクル
先ほども書きましたが、糖が口の中に入る(あるいは生成される)と、歯に付いているプラークが酸性になり(phが低くなり)歯の表面の成分であるカルシウムとリンが溶かされはじめます(脱灰)。しかし、ふつうならば唾液による洗浄により40分程度でphは高くなり、溶かされたカルシウムやリンは元にもどり再石灰化され始めます。 つまり、酸にさらされる時間や回数が多いと、歯の脱灰がつづき、虫歯が進行していきます。



「ながら食い」「寝る前の食事」 は虫歯になる危険が増大!





 タイムチャートで脱灰と再石灰化のながれを表しました。 

脱灰の時間が長いと虫歯になる可能性が増し(左記赤い部分)、再石灰化の時間が長いと虫歯になる危険性がなくなると言えます(左記青い部分)。


 脱灰と再石灰化のリズム

(1) 通常の状態
歯の表面ではたえず脱灰と再石灰化がくりかえされています。通常は脱灰よりも再石灰化の時間が長いので虫歯になりません。

(2) 唾液の量が少ないパターン
唾液の量が少ないパターンです。重炭酸イオンが少ない人などは酸性から中性に戻るまでに時間がかかるので、結果的に酸性の状態が長く続き虫歯へのリスクが高まります。酸性からアルカリ性へ戻るカーブが(1)の図よりなだらかなカーブになっています。  ・・・・・ 唾液検査とは

(3) 間食が多い人のパターン
食べ物を口にする回数が多いと、酸性の状態が長くなり、歯の成分がもとにもどる時間がなく、虫歯ができるリスクが一段と高くなります。


(4) 夜寝る直前まで食べている
特に寝る前の飲食は就寝中は唾液分泌量が少なくなるため、再石灰化は起こりませんので、更に虫歯へのリスクが高まりますので注意が必要です。

このような脱灰→再石灰化を繰り返すプロセスは歯の表面にプラーク(細菌の固まり)がくっついて起こる現象です。逆に言えば歯の表面にプラークが存在しなければ再石灰化だけが起こります。 つまり食事をする前に歯の表面にプラークが存在しなければ脱灰のプロセスはおこらず虫歯は発生しません。


 脱灰→再石灰化を繰り返すそのプロセスに対して、再石灰化を促す、より良い環境を整えることが一番重要であると考えられています。

このような、脱灰→再石灰化を繰り返す仕組みを良く理解して食生活そのものから見直すことも大切といえます。

 お口の中の環境について
次に口腔内の環境と虫歯になる原因について、ご説明いたします。虫歯は細菌の量と糖と酸にさらされる時間、更に抵抗力の組み合わせで発生します。以下の円グラフは虫歯になる危険度(カリエスリスク)について表しています。 真ん中の部分が大きいほど、虫歯になるリスクが高いといえます。

ケース1 通常のケース
ケース2
リスクが高い
(フッ素入りジェルや洗口剤を使用していない場合)
歯の抵抗力が弱くなると虫歯へのリスクがあがるのでリスクサークル(円)は大きくなります

ケース3 リスクが高い(虫歯菌が多い)

ケース4
リスクが高い (ながら食い、食事の回数が多い場合)
※ 真ん中の虫歯リスク部分が大きいほど、虫歯になる確率が高い

 お口の中の問題点、傾向と対策について

ケース2
フッ素入りジェルや 洗口剤を使用していない場合
  歯の抵抗力が弱い

フッ素入りジェルや洗口剤を使用して、歯の抵抗力を高める。

 フッ素入りジェルとは

 フッ素入り洗口剤とは




  
ケース3 虫歯菌が多い
  細菌(ミュータンス、ラクトバチラス菌)が多い

3DS:デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム 等の治療を行い、除菌を行う。

3DS:デンタル・ドラッグ・デリバリー・システムの治療





  
ケース4
ながら食い、食事の回数が多い場合
  酸にさらされている時間が長い

ダラダラ食いや、夜遅くの食事はいけません。食生活、生活習慣を見直しましょう。

  脱灰と再石灰化のリズム


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