再生治療で、骨がなくてもインプラントが可能に。
「インプラントをしたいが、骨が足りなくて行えない。」
「歯槽膿漏(歯周病)等で歯の周りの骨(歯槽骨)が減ったため、再生させたい。」
何らかの理由で歯を抜いてしまい、そのままの状態にしておきますと、今まで歯が生えていた骨(歯槽骨)は不要なものとなり、少しずつ減退していきます。
たとえば、インプラントは歯槽骨にインプラント体を埋入することで実現できます。しかし、肝心な骨がなければどうすることもできません。今まででしたら、この段階でインプラントを諦めていました。
しかし、最近は医療技術が進歩し、"再生治療"が行われるようになりました。これにより、歯の骨の量が足りなくなくても、インプラントを埋入することが可能になりました。
GTR法:組織誘導再生法
GTR法(Guided Tissue Regeneration Technique:組織誘導再生法)とは、歯周病によって減退した骨を再び元に戻す治療方法です。
メンブレンという特殊な人工膜を使用して、歯槽骨が再生するためのスペースを確保し、再生に最適な環境を作り出し減退した骨を再生させる治療方法です。
GBR法:骨組織誘導再生法
抜歯などにより吸収され消失した歯槽骨を再生させる方法です。
まず、吸収された歯槽骨の範囲を専用の人工膜(=メンブレン)で覆います。これは、骨の組織を再生させたい部分に歯肉などの軟らかい線維性の組織細胞を混入させないためです。
吸収され、歯槽骨が不足している部分に粉砕した自家骨もしくは骨補填材を置き、その上をメンブレンで覆い、骨の再生を促進させます。
次に、膜の上から歯肉を被せるように戻します。歯槽骨が再生されるべきスペースが確保されていれば、破壊された骨は徐々に再生さ、数ヶ月で新しい歯槽骨が再生されます。
個人差がありますが、6~8ヶ月で歯槽骨が再生され、インプラントの安定性が確保されます。
サイナスリフト
何らかの理由で上あごの奥歯を抜いてしまいますと、本来、失った歯の周囲を支える役目をしていた歯槽骨が不要となり、急激に骨の量が減少していきます。
歯槽骨の高さが5ミリ以下ではインプラントを埋入しても上顎洞に飛び出してしまい、しっかり固定できません。
※補足ですが、歯槽骨が5ミリ以下の場合は仮に「入れ歯」を入れても土台が柔らかく固定されないため、安定性も悪く、インプラントの方が効果的です。
このような治療に有効なものが、Maxillary Sinus Augmentationです。
上あごの頬骨の奥には大きな空洞があります。これを上顎洞(サイナス)といい、鼻腔に繋がっています。
サイナスリフトは、上あごにある顎洞粘膜(シュナイダー膜)を剥がして持ち上げ、その隙間に自分の骨や骨補填剤を移植することで、インプラントを埋入するために必要な骨の厚みを確保します。
自分の骨や骨補填剤を移植してインプラントを埋入するのに必要な歯槽骨の高さ(厚み)が再生されるのを待ちます。
ほどほど歯槽骨の厚みがある場合は、サイナスリフトとインプラント埋入の処置を同時に行うこともございますが、著しく歯槽骨が減退している場合は、まずサイナスリフトを行い、歯槽骨が安定するまで約4~6ヶ月治癒期間を置き、インプラント治療を行います。
上部構造物を被せて完了です。
通常、骨頂から上顎洞底までの距離が1~3mmのときにサイナスリフトを適用します。
ソケットリフト
ソケットリフトはインプラントを植込む部分に、将来骨になる物質を入れ、少しずつ上顎洞粘膜(シュナイダー粘膜)を押し上げていき、骨の再生を促します。
かつては、上あごの奥歯はインプラント治療ができない場合がほとんどでしたが、この方法が確立され、上あごの奥歯でもインプラント治療ができるようになりました。
インプラントをいれる部分に歯槽骨1ミリ程度残し、穴を空けます。
穴を空けた部分に特殊な器具を使用して、骨になる物質(自分の骨や骨補填剤)を入れ、少しずつ上顎洞粘膜を上げていきます。
骨になる物質(自分の骨や骨補填剤)の補填が終わります。歯槽骨の再生を待ちます。
インプラントの埋め込みが可能になったか、レントゲンで確認をし、インプラント埋入の治療へと進むことができます。
ただし、治療期間が6ヶ月~1年と長めであることが難点です 。
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