四谷三丁目の歯医者 ASAHIデンタル・オフィスPRIMEC

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COLUMN

ASAHIデンタル・オフィス 歯科コラム

2025.01.21 歯根破折

歯根破折治療の一種「再植」とは

歯根破折とは歯の根に亀裂が入ったり、さらに進行して割れて分離してしまった状態です。
目に見える部分の歯には異常がなく、症状も少ないため、気付かないまま悪化するケースも見られます。
歯根破折がわかると、それ以後の治療法は無く、現在の歯科医学の標準では「抜歯」が一般的です。しかし、口腔内接着法、もしくは口腔外接着法(再植)で治療できる症例もあります。
本コラムでは、歯根破折の保存治療である再植について解説いたします。
歯根破折治療について理解を深めるためにも、ぜひご覧ください。

この治療を行なう鍵になるのは4-META /MMA-TBBレジンを用いた接着材を使用することです。およそ40年前に開発されたこの材料は現在でも基本的な成分は同じで、歯(象牙質)内に浸透する性質を持ち、更に生体細胞が異物反応をほとんど起こさないところが他の歯科材料と全く異なる点です。

この超接着は現在ではその原理を模倣して作られた製品が無数に出回っていますが、それらは生体親和性という点では全く及びません。しかも40年という間、変わっていないことから最も科学的根拠が揃った材料であるという事実はゆるぎません。この接着材を初めて破折歯の治療に使用したのは歯科医師の眞坂信夫氏です。

口腔外接着法(再植)|破折歯を残すための最終手段

口腔外接着法(再植)は、歯根が割れて分離した歯を一旦取り出し、接着剤で修復したのちに戻す方法です。歯根表面に歯根膜というコラーゲン繊維の束を失わないように迅速かつ丁寧に扱う術式が必要で、扱いの難しい接着材を出来るだけ早く最小限度適用して、更に歯をポストコアで強度を増して、骨のソケットに工夫をして戻すのです。
一般的に歯根が割れた歯は抜歯が行われるため、再植は歯を残す最終手段といえるでしょう。
また、再植は歯根が割れた歯の延命治療という位置づけであり、破折する以前の健康な歯に戻す治療ではありません。
破折の入り方が複雑だったり、歯根膜のダメージが大きかったりした場合、治療できないケースもあります。そのため、抜歯して歯の状態を確認してから、再植が適応になるか判断します。

再植を行う場合に必要な条件は下記の通りです。

・歯根膜が乾燥しない状態で残っている
・歯の保存状態が良い
・歯槽骨に損傷が少ない
・患者が健康、かつ免疫力が正常である

再植の費用と治療期間

再植の治療時間は2時間程度で、多くのケースで1回の通院で終わります。

歯と歯根膜と骨の結合するまでに2〜5週間ほど隣在歯に固定し、仮歯での治療経過観察期間として8〜30週間程度かかるため、全体で10~40週間と治療期間が長い傾向にあります。
また、費用については10~30万円。保険適用外です。

まとめ

再植は、全くではないものの歯科治療の標準的な治療法の範疇に入らない治療術式であり、症例を判断する歯科医師の経験や技術力が必要となるため、実施している歯科医院は限られているのが現状です。
あくまで歯根破折が生じた歯は「抜歯」が選択されます。これは間違っているということではありません。
歯根破折の歯を残すには、破折歯の治療経験が豊富な歯科医師が在籍する歯科医院を選択することが重要です。

 

Q1:歯根破折の原因は何ですか?
A1:強い咬合力や、外部からの衝撃が主な原因です。歯根破折は、臨床実感として根管治療が行なわれている歯に起こりやすい傾向にあります。これらの歯に噛みしめや食いしばり、また強い衝撃などが加わることで、破折が生じるケースが多く見られます。

Q2:歯根破折が起こるとどんな症状が出ますか?
A2:歯根破折は、「なんとなく噛んだ時に違和感がある・歯ぐきにニキビのような白いできものができる・被せ物や差し歯が取れやすい・歯がぐらつく」などの症状が見られます。歯根破折はすぐに痛みが出ないので定期検診で発見されるケースが多く、歯科を訪れない人は気付かず放置してしまい細菌感染が広がって骨にダメージが広がり、重篤な他の疾患に繋がる場合があります。これらの症状が現れた場合、速やかに歯科医院を受診してください。

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

略歴

  • 1983年
    日本大学歯学部卒業
    東京都渋谷区「山田歯科センタークリニック」勤務
  • 1987年
    朝日歯科クリニック開設
  • 2004年
    ASAHI Dental Office PRIMECを開設

所属学会・研究会

  • 日本歯科審美学会
  • 日本接着歯学会
  • 顎咬合学会認定医
  • 日本口腔インプラント学会認定医
  • 日本成人矯正歯科学会
  • Straumann Implant University of Berne
    (Switzerland)
    (指定インプラント認定医)
  • International Congress of Oral Implantologist Dipromate
  • (インプラント専門医国際会議認定指導医)
  • デンタルコンセプト21会員
  • Speed矯正研究会
  • 日本顕微鏡歯科学会
  • 日本歯科医療開発研究会(N.D.D.S)会長
  • 日本口腔インプラント学会認定専門医(2006年取得)