四谷三丁目の歯医者 ASAHIデンタル・オフィスPRIMEC

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COLUMN

ASAHIデンタル・オフィス 歯科コラム

2025.07.20 予防歯科

セルフケアに限界はある?プロフェッショナルケアとの違い

歯の健康を保つために欠かせないセルフケアですが、「毎日の歯みがきやフロス、マウスウォッシュなどでケアを行っているから大丈夫」 と思っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、どれだけ丁寧にケアしているつもりでも、セルフケアだけではカバーしきれない限界があります。
本コラムでは、セルフケアとプロフェッショナルケア(歯科医院でのケア)の違いをわかりやすく解説し、それぞれの役割や使い分けのポイントをご紹介します。正しい知識で効率よくお口の健康を守りましょう。

セルフケアとは?ご自宅でできる基本的な口腔内のケア

セルフケアとは、患者さんご自身が日常的に行う口腔内のケアです。後述する歯科医院でのプロフェッショナルケアと並び、口腔内の健康を守るために不可欠だといえます。
効果的なセルフケアのポイントとして、主に以下の3つが挙げられます。

・毎日の丁寧な歯磨き
・デンタルフロスや歯間ブラシの活用
・マウスウォッシュ(洗口液)での仕上げ

丁寧な歯磨きによって歯の表面に付着したネバネバとした歯垢(プラーク)を除去します。しかし、歯ブラシの毛先だけでは、歯と歯の間や歯ぐきの境目など、狭い部分の汚れは落としきれません。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用し、歯ブラシが届かない箇所の歯垢を取り除くことが虫歯や歯周病の予防に繋がります。
さらに仕上げとしてマウスウォッシュ(洗口液)を用います。口腔内全体の細菌の増殖を抑え、口臭を予防する効果も期待できます。
セルフケアのメリットは、毎日ご自身のペースで、比較的低コストで実践できる点です。習慣化することで、日々の汚れの蓄積を最小限に抑えられます。

セルフケアの限界とは?


実は前章でご紹介した丁寧なセルフケアを続けていても、口腔内のトラブルを100%防ぐことはできません。理由を以下で解説します。

1. 細菌の塊「バイオフィルム」は除去できない

セルフケアだけで汚れを除去しきれない理由として、歯の表面に形成される強力なバリア「バイオフィルム」の存在が挙げられます。
バイオフィルムは歯磨き後、8時間ほどで形成が始まり、72時間後には成熟した状態になります。バイオフィルムは歯科医院の専門的な器具でなければ除去できません。放置すると内部で虫歯菌や歯周病菌が増殖する温床となってしまいます。

2. 硬く固まった「歯石」はご自身で取れない

歯垢(プラーク)が石のように硬く変化した「歯石」も問題です。歯垢が除去されないまま約2週間経過すると、唾液中のミネラル成分と結合し、石灰化して歯石に変化します。一度形成された歯石は、歯ブラシで磨いても決して取れません。
また、歯石の表面はザラザラしており、さらに歯垢が付着しやすくなる悪循環を生み出します。
固着した歯石を確実に取り除くには、歯科医院で専門の器具を用いたケアを受ける以外ありません。

3.「歯周ポケット」の奥深くには歯ブラシが届かない

セルフケアでは歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」の深部まで歯ブラシが届きません。ポケットの奥深くに溜まった細菌は、放置すると歯周病を進行させる原因となります。健康な方でも1~2mmの深さがある歯周ポケットは、細菌にとって格好の住処となり得ます。
歯科医院で行うプロフェッショナルケアでは、セルフケアでは届かない歯周ポケットの洗浄も可能です。

プロフェッショナルケアの内容と効果|歯科医院だからできること

セルフケアの限界を補い、口腔内の健康を守るために不可欠なのが、歯科医師や歯科衛生士といった専門家によるプロフェッショナルケアです。

プロフェッショナルケアの主な内容

プロフェッショナルケアは主に以下の3つの処置を組み合わせて行われます。

・PMTC(専門的機械的歯面清掃)
・歯石除去(スケーリング)
・フッ素塗布

PMTCは、セルフケアでは破壊できない「バイオフィルム」を、専用の機器と研磨剤を用いて徹底的に除去するクリーニングです。
また、歯ブラシでは取れない歯の表面や歯周ポケット内部の歯石は、超音波スケーラーなどの専用器具を用いて破壊・除去します。
仕上げに高濃度のフッ素を歯に直接塗布し、歯質を強化します。フッ素が歯の成分と結びつき、酸に溶けにくい強い歯を形成します。また、ごく初期の虫歯であれば修復を促す「再石灰化」を促進し、虫歯に対する抵抗力を高められます。

フッ素塗布については以下のコラムで詳しく解説しているため、ご参照ください。
フッ素塗布の効果とは?虫歯への効果や注意点を解説

副次的な効果:病気の早期発見

プロフェッショナルケアは、単なる口腔内のクリーニングに留まりません。定期的に専門家の目で口腔内のチェックを隅々まで受けることで、病気を早期発見できる貴重な機会にもなり得ます。
ご自身では気づきにくい初期の虫歯や歯周病はもちろん、粘膜の病変や口腔がんといった重篤な疾患の早期発見にも繋がる場合もあります。

セルフケアとプロフェッショナルケアのベストバランス

口腔内の健康を長期的に維持するためには、どちらか一方に偏るのではなく、両方をバランス良く組み合わせることが最も重要です。
推奨されるケアの頻度は以下の通りです。

・セルフケア:毎日、丁寧に行うことが基本
・プロフェッショナルケア:一般的に3ヶ月に1回の受診を推奨

プロフェッショナルケアを3ヶ月間隔で受けた患者さんは、6ヶ月間隔で受診した方と比べて、再発率が40%減少したと報告されています。
ただし、あくまで目安です。個々の患者さんの口腔内の状態によって、頻度が変わる場合もあります。ご自身の状態に合わせた頻度を歯科医師と相談して決めましょう。

参考文献:

Kiran K Ganji et al.:Comparing the Efficacy of Different Maintenance Intervals on Preventing Disease Recurrence in Patients with A History of Periodontal Treatment J Pharm Bioallied Sci.2024 Feb;16(Suppl1)

歯の健康を維持するための予防歯科の頻度については、以下のコラムでも解説しています。
予防歯科の頻度とは?歯の健康を維持するための習慣

セルフケアは“完璧”を目指すのではなく、“補い合う”ことが大切

セルフケアとプロフェッショナルケアは、優劣をつけるものではなく、両者が互いを補い合う「相互補完の関係」です。
日々の丁寧なセルフケアでプロフェッショナルケアの効果を長持ちさせ、定期的なプロフェッショナルケアでセルフケアの質をさらに高めるといった「好循環」を作ることが、生涯にわたって口腔内の健康を維持する秘訣といえます。

当院では、患者さん一人ひとりの口腔内の状態に合わせたプロフェッショナルケアと、効果的なセルフケアの方法について、丁寧にアドバイスを行っております。
口腔内のことでお悩みやご不安がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

略歴

  • 1983年
    日本大学歯学部卒業
    東京都渋谷区「山田歯科センタークリニック」勤務
  • 1987年
    朝日歯科クリニック開設
  • 2004年
    ASAHI Dental Office PRIMECを開設

所属学会・研究会

  • 日本歯科審美学会
  • 日本接着歯学会
  • 顎咬合学会認定医
  • 日本口腔インプラント学会認定医
  • 日本成人矯正歯科学会
  • Straumann Implant University of Berne
    (Switzerland)
    (指定インプラント認定医)
  • International Congress of Oral Implantologist Dipromate
  • (インプラント専門医国際会議認定指導医)
  • デンタルコンセプト21会員
  • Speed矯正研究会
  • 日本顕微鏡歯科学会
  • 日本歯科医療開発研究会(N.D.D.S)会長
  • 日本口腔インプラント学会認定専門医(2006年取得)