四谷三丁目の歯医者 ASAHIデンタル・オフィスPRIMEC

MENU

ご予約・ご相談はお電話で

03-3226-0648
〒160-0006
東京都新宿区舟町7 ロクサンビル2階
東京メトロ丸ノ内線「四谷三丁目駅」4番出口 徒歩2分
月~金 10:00~13:00 / 14:00~18:00
休診:土曜・日曜・祝日

COLUMN

ASAHIデンタル・オフィス 歯科コラム

2025.09.12 インプラント

ブリッジ・入れ歯・インプラント、長期的に残せるのはどれ?

「歯を失ったときの治療法は何を選ぶべき?」
「本物の歯のように長く使えるのはどれ?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
歯を失った場合は、ブリッジ・入れ歯・インプラントといった方法で見た目や噛む機能を回復させます。
それぞれの治療法には特徴・寿命・メンテナンスの違いがあり、選び方によって将来のお口の健康が大きく変わります。
本記事では、3つの治療法のメリット・デメリットを比較し、どの治療が歯を長持ちさせやすいのかわかりやすく解説します。
できるだけ歯を長く残すためにも、ぜひご参考にしてください。

ブリッジの特徴と寿命

はじめに、ブリッジとは失った歯の左右の歯を削って土台とし、橋を架けるように人工歯をかぶせる治療法です。
ある論文では、ブリッジの5年生存率は93.8%、10年生存率は89.2%と報告されています。

引用: Pjetursson, B. E., et al. (2004). "A systematic review of the survival and complication rates of implant-supported fixed dental prostheses (FDPs) after an observation period of at least 5 years." Clinical Oral Implants Research, 15(6), 625-642.

ブリッジの寿命は被せる素材や支えている歯の状態に左右されます。かかる費用は保険適用の場合、銀歯のブリッジで1万円前後、プラスチック素材だと1〜3万円程度です。
メリットは治療期間が短く、固定式で違和感が少ない点です。外科手術は必要なく、比較的短期間で治療が終わります。
デメリットは、支える歯がないと治療できない点、健康な歯を削る必要がある点です。
失った歯にかかるはずだった力が両隣の歯に集中し、過度な負担がかかり続けます。支えの歯の歯根破折や歯周病で、将来的に歯を失うリスクがあります。

歯の根の部分にヒビや亀裂が入る歯根破折については、以下のコラムで解説しています。
歯根破折とは

また、ブリッジと歯ぐきの境目は歯垢が溜まりやすいため、メンテナンスとして毎日のセルフケアや定期的なクリーニングが必要です。

参照: 歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン2008  (社) 日本補綴歯科学会

Comparison of survival and complication rates of tooth-supported fixed dental
prostheses (FDPs) and implant-supported FDPs and single crowns (SCs).

天然歯支持ブリッジ(FDPs)とインプラント支持ブリッジと単冠(SCs)の生存率と合併症率の比較 Pjetursson BE. Bragger U. Lang NP. Zwahlen M.

入れ歯の特徴と寿命

部分入れ歯や総入れ歯は、取り外し可能な義歯です。隣の歯にフックをかけたり、歯ぐきに密着させたりして、歯を失った箇所を補います。
耐用年数は3~5年程度とされ、装着から5年以上の使用率は58〜71%です。長期間使用を続けると、変色や変形が起こり、衛生面や機能面が低下します。口内環境や噛み合わせの変化に応じて、定期的に新しく作り直す必要があります。
メリットは、多くの歯を失っていても対応できる点、比較的低コストな点です。保険適用のプラスチック素材のものだと、5千円〜2万円程度で作製できます。
補う本数や調整の進み具合で個人差がありますが、ほかの治療と比べて治療期間が短いのもメリットです。早い方だと型取り・噛み合わせの調整・試着・受け取りが3〜4回で完了します。

しかし、入れ歯にも当然デメリットはあります。
入れ歯の主なデメリットは下記のとおりです。

・強く噛めない
・ズレや違和感を覚える
・取り外しが面倒
・定期的な作り替えが必要
・まわりの歯に負担がかかる

また、毎食後と寝る前のお手入れは必ず行う必要があります。
入れ歯を傷つけないように専用の歯ブラシと歯磨き粉、入れ歯洗浄剤を使って清潔に保ちます。

参照:—欠損補綴における補綴装置と支台歯の選択— 術後経過から考える固定性補綴と可撤性補綴の選択 大久保力廣

インプラントの特徴と寿命

インプラント治療は顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。
埋め込む場所や条件によって異なりますが、インプラントの10~15年の累積生存率は上顎で約90%程度、下顎で94%程度と発表されています。
ある研究では対象とした254人・913本のインプラントにおいて、累積生存率が10年目で92.6%、13年目で89.9%であったと報告されています。
メリットとして、天然の歯のように噛める、見た目が自然である、周囲の歯に負担をかけない、残っている歯が長持ちするなどがあげられます。
人工歯根を埋め込むと、時間とともに“オッセオインテグレーション”とよばれる骨とインプラントの結合が進み、人工歯でも噛む力が骨に直接伝わります。

インプラントのデメリットは、外科手術が必要な点、1本あたり30~40万円程度と費用が高い点、インプラント体が顎の骨に定着するまでに2~5か月かかる点です。
さらに、先天性疾患や事故による損傷など条件を満たす場合を除いて、インプラント治療は健康保険が適用されません。自由診療となるため負担が大きくなります。
また、治療後のメンテナンスとして、年に1~2回程度通院する必要があります。

参照:厚生労働省委託事業「歯科保健医療情報収集等事業」歯科インプラント治療のための Q&A

IMZインプラントの生存に関する2施設統合予後調査
渡邉 文彦, 多和田 泰之, 小松 繁樹, 高瀬 一郎, 畑 好昭, 榎本 紘昭, 古川 達也, 榎本 琴世

長期的に残せるのはどれ?

失った歯の代わりとして長期間利用できるのは、ブリッジ・入れ歯・インプラントのどれでしょうか。
結論から言うと、最も寿命が長いのはインプラントです。
ブリッジは失った歯の左右の歯を削る必要があります。噛む際に支えの歯に負担がかかり、中長期的にみると歯を失うリスクがあります。
入れ歯の耐用年数は3〜5年と、これらの治療法のなかでは最も短命です。定期的に新しいものに作り替える必要があります。
最も長期的に利用可能なのはインプラントです。適切にメンテナンスを受けることで、10〜15年以上使えるでしょう。
ただし、患者さんの口腔状態や全身の健康状態、ライフスタイルによって最適な治療法は異なります。

ご自身に合った治療の選択を

「長期的に残せる治療」の中では、インプラントが最も有力です。天然の歯と同じように噛めて、見た目も非常に美しいです。
ただし、費用が高額な点や外科手術を必要とする点などデメリットもあり、全ての人に合う治療とはいえません。最も大切なのは「患者さんご自身に合った治療を選ぶこと」です。
失った歯を治療したい方は、歯科医師に相談して治療のメリット・デメリットを確認し、納得したうえで治療法を選びましょう。

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

記事監修|ASAHIデンタル・オフィス PRIMEC 院⻑・⻭科医師 朝日 啓司

略歴

  • 1983年
    日本大学歯学部卒業
    東京都渋谷区「山田歯科センタークリニック」勤務
  • 1987年
    朝日歯科クリニック開設
  • 2004年
    ASAHI Dental Office PRIMECを開設

所属学会・研究会

  • 日本歯科審美学会
  • 日本接着歯学会
  • 顎咬合学会認定医
  • 日本口腔インプラント学会認定医
  • 日本成人矯正歯科学会
  • Straumann Implant University of Berne
    (Switzerland)
    (指定インプラント認定医)
  • International Congress of Oral Implantologist Dipromate
  • (インプラント専門医国際会議認定指導医)
  • デンタルコンセプト21会員
  • Speed矯正研究会
  • 日本顕微鏡歯科学会
  • 日本歯科医療開発研究会(N.D.D.S)会長
  • 日本口腔インプラント学会認定専門医(2006年取得)